ピックアップ・スイッチの交換・改造






赤枠で囲んである、ピックアップ・セレクターの接触が、何度修理しても、直ぐに悪くなってしまいます。

原因は、2弦5フレッドのGを弾くと、スイッチの接点バネが共振をして、チャッタリングと同じ状態になっていました。

チャッタリングは、電気接点には、致命的なトラブルです。
ピックアップの微小電圧でも、スパークして接点に酸化膜が形成され、接触不良になります。

音に影響の出ない容量の、コンデンサー・抵抗を付け加えるか、接点のバネ部分に半田など盛って、質量を変えれば、直りますが、ハイパスフィルターを増設して、フェイズシフトと組み合わせ、合計8種類の音色が変化できるように、改造することにしました。





取り外した、スイッチクラフト社製2回路・ON-ON-OFF の純正ピックアップ・セレクター。

この種の楽器としては、しっかりした物が使用してあります。

接点バネの張力は、かなり強いですが、長さがあるので、運悪く、共振していました。





家の材料箱で、25年ほど眠っていた、自作マニアにはおなじみの、アルプス電機製ロータリースイッチ。
当時、消費税の無い時代の¥230 。

2回路・5接点タイプです。





そのままでは、軸が長すぎるので、適当な長さにカットします。

カットの方法は、万力で挟んで、金鋸で切るのが一般的ですが、今回は、パイプ・カッタを使ってみました。





切り終わった状態。

パイプ・カッターを使ったので、バリが無く、ヤスリ仕上げをしなくてもすみます。





ハイパス用コンデンサーの容量が、わからないので、手持ちの色々なコンデンサーを、クリップで挟んで、実験してみました。

スイッチを切り替えた時、音色のつながりの良い容量を、選びました。

このピックアップには、0.01μF〜0.022μFが良さそうです。





ロータリー・スイッチに 0.022μF マイラー・コンデンサーを半田付けして、配線は終了。

画像には写っていませんが、ついでに、トーン・コントロールを改造して、高域増幅〜高域減衰型に変更しました。

0.001μFのスチロール・コンデンサーを、マスターボリュームに追加する。タイプです。
詳しくは、「DGBスタジオ」様のホームページをご覧ください。





あり合わせのツマミを付けて、完成。

取り替える前の動作は勿論、ピックアップ合成したときの、低域こもりの解消と、フェイズ・シフトさせた時の低域の減衰を解決することが出来ます。

サムネイルのクリックで、スイッチとボリュームの説明画像へ。





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